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■BAND HELMET CAMOUFLAGE: Mildew-resistant water-repellent OD
ヘルメットに偽装用の枝や葉を取り付けるための器具だが、VNではちょっとした小物を挟んで携行する事が多かった。
このヘルメットバンドは「抗黴・防水」とされているが、わざわざこのような記述をした意図はよく分からない。
他に書くことがなかったのかも知れない。
海兵隊はどういうわけかヘルメットバンドの支給がなかったらしく、ほとんどの兵士がゴムチューブをバンド状に切断したものを代用した。
■Bandoleer
元々はM14の弾薬クリップを携行するための布製ポーチだが、VNではM16のマガジン携行具として頻繁に利用された。
本体はコットンの布製で、縫い目で7つに仕切られており、それぞれ1本づつのマガジンを収納することができる。
ポーチ両端にはコットン織りのバンドがついている。
バンダリアには、戦争後期以降に生産されたM193 5.56mm弾用のものも存在する。
M193にはバンドや縫い糸がナイロンのものもあるが、これは戦後タイプである。
肩からたすき掛けにするのが一般的な携行法だったが、兵士個人が工夫を凝らした結果、様々な着用例が見受けられる。
似たような形状のものとしては、M14用の上下が短いバンダリアもある。
変わったところでは、M60の7.62mm弾用のバンダリアというものが存在する。
こちらは7.62mmベルトリンク100発入りの紙箱を収納して肩から下げる。
弾帯を直接体に巻くより使いやすそうだ。
■Bayonet Knife Scabbard, M8A1
M6およびM7銃剣を収納可能なスキャバードで、M8スキャバードの改良型。
外観上の違いは、スキャバード先端の穴に金属製の保護カバーが付けられた点。
使用方法はM8と同じ。
■ARMOR, BODY, FRAGMENTATIOIN PROTECTIVE, WITH 3/4 COLLAR
ベトナム戦争後期に使用されたボディアーマー。
何重にも重ねられたケプラー繊維で着用者を破片から防護する。
襟がついているのが特徴で、首まで守ることができる。
一般には、M1969ボディアーマーと呼称されている。
■Canteen Cup, M1910
水筒の底に被せて携行することが可能なカップ。
取っ手は折り畳み式で、戦前と戦後で取っ手のデザインが異なる。
バーハンドルはカップの底部に折り畳むことができ、使用時はストッパーでハンドルを固定する。
VN戦では旧型のバーハンドルが用いられたようだ。
新型はワイヤーハンドル。
■Canteen, Water, Collapsible, 2 qt.
2クォートの折り畳み式水筒。
本稿ではVNにおいての2クォート水筒を初期型と後期型に分類しているが、設計が根本的に異なため、この分類方法は適当でないかもしれない。
初期型の本体はプラスチック製のキャップとビニール(?)製の本体からなり、ナイロン製のカバーによって携行される。
本体のキャップ上部と飲み口の間には、紛失防止用のチェーンが付属している。
カバーの特徴は以下の通り。
正面には浄水剤用の小ポケットが付属している。
後部には装着用のアタッチングクリップが2つあり、クリップの装着ラインは補強用に樹脂が入れられている。
左右下部には固定用の紐を通せるアイレットが設けられている。
また、他にアイレットで補強された2つの水抜き穴がある。
水筒本体の取り出し口と浄水材用ポケットはベルクロで閉鎖される。
後期型は斜め上に飲み口がある一風変わった設計で、専用のコットン製カバー、のちにはナイロン製カバーで携行された。
コットン製カバーはなぜかOD色をしておらず内張りもなかったが、後期型ではOD色になり、パイルの内張りが追加された。
留め具はどちらもプラスチック製。
また、カバーにはアタッチングクリップのほかに、取り外し式の肩掛け紐らしきものが付属している。
■Canteen, Water, M1910
WW1当時から使用されてきたアルミまたはステンレス製の1クォート水筒。
本体は民間のアウトドア用水筒にもよくある形状。
このM1910タイプの水筒は戦争初期に少数が使われたとされているが、間もなくプラスチック製のM1961に取って代わられた。
ステンレス製のものはM1942と呼ばれる場合もあるが、資料で確認できなかったため、ここでは同じM1910として扱っている。
ステンレスタイプも、基本的なデザインはM1910と同じである。
■Canteen, Water, M1961
VN戦で最もよく使用された、1クォートのプラスチック製水筒。
海兵隊及び戦争初期の陸軍ではアルミまたはステンレス製のものが使われていたが、まもなくこのモデルに取って代わられた。
材質がすべてプラスチックになったほかは基本的に同一で、水筒カバーも互換している。
水筒カバーに入れるのが正しい携行法だが、キャップのバンドを装備に通してぶら下げる方法も数多く見受けられる。
■Carrier, Intrenching Tool, M1967
戦争後期に採用されたM1967エントレンチングツールを収納するためのキャリアー。
M1967エントレンチングツールは小さく畳むことができるため、このキャリアーでは全体を内部に収納する。
ナイロン地にプラスチック製の閉鎖器具という、この頃のナイロン製装備に共通する特徴をもつ。
側面内部には補強の金属板が入っており、底面には水抜き用のアイレット穴が設けられている。
背面のアタッチングクリップでピストルベルト等の装備に装着される。
このキャリアーにはM1956キャリアーのような銃剣装着機能はない。
ナイロンでは強度面で問題があったのか、ALICE装備以降のケースは全体がプラスチック製になった。
■CARRYING STRAP ASSEMBLY, SLEEPING BAG, M-1956
直訳すると寝袋運搬具。
H型サスペンダーに組み合わせて寝袋を携行するためのストラップである。
この器具を使用した場合、寝袋は背中に位置する。
フィールドパックと併用するための装備だが、ラックサックと干渉するためか、はたまた絡まりやすい構造のためか、実際に着用した例はあまり見られない。
一見するとパックアダプターストラップに似た装備だが、パックアダプターストラップとは違い、ナイロン製の改良型が存在する。
改良型は寝袋をホールドする部分を面状に変更し、絡まりにくくなっている。
■Cover, Water Canteen, M1956
水筒を携行するためのケース。
同時にカップを収納することができる。
陸軍のM1956水筒カバーはコットン製で、内部はパイルまたはフェルトの内張りがされている。
この内張りは、寒冷時の凍結防止と高温時の保冷効果を目的としている。
初期型はフラップの縁もコットン製だったが、改良型では、フラップの縁の補強がナイロン製になった。
後には、全体がナイロン製で浄水剤の容器を収納するためのポケットが付属するモデルが製造された。
海兵隊はM1943水筒カバーを使用しており、フラップのドット式ボタンとダブルフック式固定金具が外見上の大きな違いである。
水筒カバーは容量が大きいため、特に特殊部隊では雑嚢やマガジンポーチとして用いる兵士もいた。
やってみたら、M16の20連マガジンが6本も入った。これは便利。
写真は改良型で、フラップの縁がナイロン製のもの。
■COVER, STEEL HELMET, CAMOUFLAGE
ヘルメットにかぶせるための布。
VN戦当時に使用された物は、そのほとんどがミッチェルパターン。
カモフラージュ用の木の枝や草木を差し込むためのスリットが設けられている。
■Dog Tag
米軍の個人認識票。
正式にはIdentification Tag(認識票)というが、ドックタグ(犬の鑑札)という呼び名のほうが圧倒的に有名である。
小さなプレートに個人名や認識番号、血液型などが記入されている。
通常は2枚1組で、付属のチェーンで首からぶら下げる。
戦争後期にはチェーンにアクセサリーを付けるのが兵士の間で流行した。
■DSA
Defence Supply Agency
国防補給局。
装備の目立たないところにステンシルされているDSAナンバーは、DSAの発注管理番号で、製造時期やロットを記述したものらしい。
同じ装備でも製造時期によって記載フォーマットに大きな違いがある。
戦争後は補給局の組織改変に合わせてDLAナンバーに変更され、現在はSPOナンバーに変更されている。
■ERDLリーフ
戦争中期に登場した、現用ウッドランドの原型ともいえる迷彩パターン。
ウッドランドを緑系にしたような色調で、それまでの被服に比べて迷彩効果が高く、前線では大変な人気だった。
支給は特殊部隊やLRRPが優先されており、一般部隊にはそれほど普及しなかったようだ。
■Field Pack, Combat, M1956
陸軍M1956装備で当初採用されていたフィールドパック。
このフィールドパックは本体と閉鎖ストラップ2本付きの蓋、株ストラップと本体側面の装備用ハーネスからなる。
フィールドパック裏面にはアタッチングクリップ2本とアイレット付きのハーネスがあり、アタッチングクリップをピストルベルト後部、ハーネスをサスペンダーの後部ストラップに装着して携行する。
フィールドパックの下部ストラップはポンチョなどを携行するのに使うが、使用しない場合は蓋の付け根からパック内に収納しておくことが可能である。
フィールドパックには、支給時にM1956装備の組み立て説明書が同梱されていたようだ。
このパンフレットについて、筆者は2種類の存在を確認しているが、詳細は不明。
■Field Pack, Combat, M1961
陸軍がVNで主に利用したフィールドパックで、M1956の改良型である。
見分け方は以下の通り。
少しだけ容量が大きくなり、内部にゴム引きの補助収納具が付属している。
収納物がフィールドパック本体に収まりきらない場合は、この収納具をたくし上げて内容物を保持し、上部ストラップで蓋を固定する。このため、上部ストラップが初期型に比べてかなり長くなっている。
蓋の裁断が立体的になり、側面まで保持するようになった。
上面にネームタグを入れるための透明ポケットが設けられた。
戦争後期にはナイロン製タイプも生産されたが、あまり普及はしなかった。
ナイロンタイプの外観はM1961とほぼ同じだが、サスペンダーの金具を取り付ける部分が鳩目からDリングに変更されている。
その他、M1961のデザインをそのままに素材のみナイロンとしたものが存在するという情報があるが、筆者は確認していない。
写真はコットン製。
■Goggles, Sun, Wind and Dust, M44
日除け・防風・防塵ゴーグル。
レンズ部分は交換可能で、透明の物とニュートラルグレーの物が選択できる。
ニュートラルグレーのレンズは、日差しの強い地域で使う。
WW2当時から使われている息の長い装備で、同じスタイルの改良型が未だに使われている。
ベトナムでは、車両搭乗員などが主に利用した。
■Hand Grenade, Colored Smoke, M18
VN戦で多用された発煙手榴弾。
細長い缶に信管を取り付けたような形状で、イエロー、バイオレット、レッド、グリーンの4色がある。
本体はグレー地に黄色、またはOD地に白色で文字が印刷されている。
細かい事だが、M18のヒューズ基部(本体上面から円筒状に飛び出てる奴)は、本体上面と同色のものと本体側面と同色のものが存在するようだ。それが現地で上塗りされたものか生産工場による違いなのかは不明である。
発煙手榴弾は別に爆発するわけではなく、50〜90秒の間煙を噴出する。
VNでは、おもに上空との意思疎通に用いられた。
写真はレプリカ。
■Hand Grenade, Fragmentation, M26
VN戦で最もよく見られた破片手榴弾。
レモン型の本体表面上部は黄色く塗られていたが、前線では目立つためにODで塗りつぶすことも多かったようだ。
VNではいくつかの改良型も使われたが、ヒューズが違うだけで、外観上の差は特にない。
写真はレプリカ。
■Helmet, Steel, M1
ヘルメットライナーと呼ばれる小型ヘルメット(写真左)に鉄製の本体(写真右)をかぶせる形式のヘルメット。
ヘルメットバンド及びミッチェルパターンのヘルメットカバーと共に使用する。
WW2の頃に使われたM1ヘルメットと基本構造は同じである
M1/56ヘルメット、M2ヘルメットとも呼ばれる。
■Insect Repellent
駆虫剤。一般には虫ジュースと呼ばれている。
黒いキャップのポリ容器に2オンスの溶液が入っている。
戦争当初、ボトルの文字部分はシールであった。
その後まもなくボトルに直接プリントする方式に改められ、さらに後にはボトル自体の成形色が半透明の白からODに改められた。
ただし、写真ではOD色の駆虫剤はあまり見かけない。
逆に言うとたまに見かけるが、成形色の変更が戦争のどの時点で行われたのかは判然としない。
しょっちゅう使うためか、ヘルメットバンドにはさんで携行している写真をよく見かける。
■Lensatic Compass
米軍が使用している、折り畳み式のレンズ付きコンパス。
折りたたみ式で、地図上で位置を確認するためのスリットや目盛りがついている。
目盛りはコンパスの側面についており、地図上で距離を測定することができる。
地図上での使い方のほか、目印に向けて方位を確認する方法もある。
写真は同一スタイルの民間用品。
■Lift The Dot Fastener
旧式の閉鎖金具。
球状の突起にリング状金具を通して固定する。
WW2当時の装備では閉鎖金具の多くがこの方式だが、M1956装備においてはグローブ・タイプが広く用いられていて、リフト・ザ・ドットの使用はスリーピングバッグキャリアーなど極一部に限られる。
コットン製拳銃用マガジンポーチの蓋などにもこの金具が使われている。
一方、海兵隊ではジャングルファーストエイドキットなど、この閉鎖金具の使用範囲は広い。
■LINER, SOLDIERS STEEL HELMET "COMBAT"TYPE I
M2ヘルメットの中に着用する小さなヘルメット。ヘルメット本体は、ライナーに被せて使用する。
ライナーは軽量のカーボン製で、着用者のサイズに合わせて調節するストラップと後頭部に引っかけるバンドが付属している。
■Liner, Wet Weather Poncho, Camouflage color
ポンチョライナー。
ポンチョ内部に着用するキルティング地の布。
カモフラージュパターンの印刷された表面はナイロン製で、内部にポリエステルがサンドイッチされている。
四隅にはポンチョに
軽量で断熱性に優れ、ポンチョと組み合わせることで簡易寝袋として使うことも可能である。
写真は現用のウッドランドパターン。
■Lightweight Rucksack
VN戦中期以降、歩兵が最も多く使用したラックサック。
金属製のフレームとラックサック本体は分離式で、重量物運搬用にフレーム単体で使用することもできる。
フレームはODに塗装されたアルミパイプ製で、ラックサック本体はOD色のナイロン製。
フレーム中段と下段にはシェルフ(棚)を設置することが可能。
シェルフを使用した場合、フレーム付属の2本のカーゴストラップで荷物を固定する。
中段のシェルフは、ラックサック本体との併用が可能。
ショルダーストラップはフレーム側に付属しており、左側には緊急時に素早く遺棄するためのクイックリリースバックルが設けられている。
フレーム右側上部の金具は、積雪地帯でスキーや雪上靴を履く場合など、両手が塞がる場合に小銃を装着するためのアタッチメントである。
ラックサック本体はフレーム下部に取り付けるのが基本だが、現地で上部に取り付けるよう改造したものも多数見受けられる。
本体は熱帯ラックサックや現用アリスパックの原型といえるもので、表面に3つの大きなポケットがあり、各部に装備を接続するためのハーネスが設けられている。
本体下部左右にあるストラップは、その上のハーネスに水筒を装着した場合に固定するためのもの。
フラップの裏は二重になっていて、布製のマニュアルが付属している。
このラックサックは付属のバンドを腰に巻くよう設計されていたが、実際に着用されることは稀であった。
現在流通している個体でも、このベルトは欠品になっていることが多い。
軽量ラックサックは、大きく分けて2度の仕様変更を受けている。
主な相違点は以下のとおり。
初期型と中期型以降では各部ストラップに細かな変更があり、全体に丈夫になっている。
初期型のフレームは細身で溶接止めにされているのに対し、中期型以降はリベット止めに変更され、フレームも太くなった。
初期型のパックのポケットはストラップがバックルから抜けるようになっていたが、中期型以降はストラップが先端で折り返され、バックルから抜き出せないようになった。
中期型までのフレームの水平ストラップは上下2本であったが、後期型ではフレーム中央部にも水平ストラップが追加された。
軽量ラックサックは、ライトフレームラックサックとも呼ばれる
■M1911自動拳銃を携行するためのホルスター。
皮製で、ピストルベルトに装着するためのダブルフックが装備されている。
VNにおいてはM1916だけでなく、私物のホルスターを使用した例も多く見られる。
■M1941サスペンダー
海兵隊で採用されていたサスペンダー。
このコットン製サスペンダーは2本のストラップを中核としていえう。
前部は金属リングを介してそれぞれ2本のベルト装着用ストラップに繋がっている。
後部は背中で交差させることでX型サスペンダー式の装着形状になる。
基本的にOD色だが、WW2当時に生産されたものはカーキ色である。
■M1943水筒カバー
1クォートの水筒を収納可能なカバー。
海兵隊が採用していたこのカバーはダブルフック方式で接続され、蓋はリフト・ザ・ドット式金具で閉鎖するようになっていた。
■M1961マガジンポーチ
M14の20連マガジン1本を収納可能なポーチ。
M1961ライフルベルトにスナップで固定する。
V字にカットされた蓋は、グローブ式金具で閉鎖される。
ポーチ下部にはダブルフック式ハーネスが設けられており、更に装備を接続できるようになっている。
陸軍のM1956汎用弾薬ポーチの改良型がM1961と呼称される場合もあるが、これは全くの別物。
■MP
Military Police
軍警察、あるいは憲兵と訳される。
文字どおり軍内部の警察組織の役目をこなし、良心のタガが外れがちな前線兵士の規律と基地の治安を守るのが任務。
REMFの代表格に思われがちなMPだが、戦闘を行う場合もある。
1968年のテト(旧正月)攻勢においては、サイゴンの第18憲兵旅団がライフルを手にVCと市街戦を繰り広げた。
憲兵は一般に黒に塗装されたヘルメットライナーを被り、左腕にMPの腕章をしている。
その他警棒、黒革製のピストルベルト、拳銃マガジンポーチ、手錠ケースなどが独特の装備である。
■NLF
南ベトナム民族解放戦線。通称ベトコン。
■NVA
North Vietnamese Army
北ベトナム政府軍。
NVAというと、旧東ドイツ軍を指す場合もあるので注意が必要である。
■オリーブドラブ
Olive Drab
米陸軍で多用されている、濃いオリーブ色。
戦闘車両やM56装備の大部分にもOD色が採用されている。
■Platoon
小隊。
■Poncho
ポンチョ。
ベトナム戦争で米軍が利用したポンチョは主に3種類ある。
まず、介入に前後して採用されたモデルで、厚手ポンチョと呼ばれるもの。
次に、1968年頃に採用された軽量化モデル。
そして、軽量化モデルにリーフパターンの迷彩を施したものである。
■PRC6無線機
無線機の一種。
大型トランシーバーのような外観の手持ち式無線機である。
■PRC10無線機
VN戦初期に使われた無線機。
この旧式無線機は信頼性が劣り、交信可能距離も短かったため、すぐにPRC-25無線機に取って代わられた。
■PRC25無線機
VN戦の米軍で最もよく見られたFM式無線機。
トランジスタと一部真空管を用いた無線機で、接続式のロッドアンテナとテープアンテナのいずれかを使うことができる。
それまでのPRC10無線機に比べると通信距離やバッテリーを含めた重量面でも有利である。
重量が大きくかさばるが、味方部隊との連絡や支援要請には欠かせない機器であった。
この通信機には専用の布製ハーネスが付属していたが、パックボードや軽量ラックサックに取り付けて携行する例も数多く見られる。
■PRC77無線機
PRC25無線機の改良型。
外見上の変化はないが、内部は完全にトランジスタ化され、消費電力が低く抑えられるとともに信頼性も増した。
■PRR9受信機
ヘルメットに装着するタイプの無線受信機。
弁当箱に細いアンテナの付いたような形状で、PRT4送信機と同時に使用する。
ヘルメットにクリップで装着した姿はちょっぴり現代風だが、使用期間は短かった。
通信可能距離が短いうえに、戦闘中にヘルメットごと失うケースが多発したのが原因と思われる。
ヘルメットのチンストラップを使えばよかったのだろうが、米軍兵はほとんど顎紐をつけていなかった。
■PRT4送信機
PRR9とセットで使われる、手持ち式の受信機。
中型トランシーバーくらいの大きさで、性能もそんなものだったようだ。
PRR9同様、使われたのはごく短期間であった。
■RTO
Radio Telephone Operator
無線通信手。
歩兵部隊にとって味方との連係は命綱であり、それを司る通信兵は兵達の人気職種であった。
ただし、その重要性ゆえに真っ先に狙われる、危険の多い職種でもある。
■SEALS
海軍の特殊部隊。
SEALSとはSEA, Land, and Skyを指し、陸海空の全てで行動することを意味している。
■SFC
Sergeant First Class
一等軍曹。
決して某ゲーム機の略語ではない。
■SGT
sergeant
三等軍曹。
sergeantは単に「軍曹」であるが、米軍はsergeantも細かく階級分けされており、階級略称でのSGTは三等軍曹と訳される。
■squad
分隊。
■SSG
Staff Sergeant
二等軍曹。
直訳すれば「参謀軍曹」といった感じになるが、一般的な訳語では一等〜三等軍曹と階級付けするのが普通である。
■STABO
地上の兵員をすみやかにヘリコプターでピックアップするための器具のひとつ。
胴体にかけるハーネスの集まりで、両肩の金属リングでヘリコプターのワイヤーに吊り下げられる。
抽出中でも手足が自由になるのが特徴。
作戦中ずっと着ているわけではなく、抽出前に装着するものだと思うが、実際のところは不明。
主に特殊部隊で用いられた。
■Suspenders, Field Pack, Combat, M1956
軍装におけるサスペンダーとは、ピストルベルトを保持し、装備の重量を肩全体に分散させるためのパッド付き吊りベルトを指す。
M1956サスペンダーは、その形状からH型サスペンダーと呼称される。
このサスペンダーはコットン製で、ピストルベルトに接続するための金具が前後部に2ヶ所づつある。
また、寝袋キャリアーやパックアダプターストラップの連結が可能で、その場合はパッド最前部のDリングとパッド中央のベルトを使用する。
H型サスペンダーは、VN戦以前に一度改良が行われている。
この改良型は俗にM61と呼ばれている。
前部のオープンフック式接続金具が丈夫になり、折れにくくなった。
後部接続金具がオープンフックからスナップフックに変更された。
VN戦末期にはナイロン製のH型サスペンダーも生産された。
ナイロン製はM67と呼ばれる場合もある。
寝袋を携行するためのリングが、前部接続金具から肩パッド表面に移された。
パックアダプター機能をサスペンダー本体に統合するため、パッド後部にスナップフックが追加された。
■SVN
南ヴェトナム(South Viet-Nam)の略。
■Tropical Combat Boots
熱帯用コンバットブーツ。
それまでの黒革製戦闘靴に代わり、VN戦中に開発された熱帯用戦闘靴。
足首から上がコットン・ナイロン混紡の布製で、土踏まずの部分に小さな穴が設けられている。穴は中に入り込んだ水を排出する機能と通気を兼ねているようだ。
どれも、湿地帯での使用を考慮した結果である。
VN戦中に幾度かの改良が試みられている。詳細は以下の通り。
踝と足首に補強の布が追加された。
ブービートラップ対策として、靴底に金属板が埋め込まれた。
靴底のパターンがビブラム・ソールからパナマ・ソールに変更された。
■Tropical Combat Uniform
VN戦初期に採用され、戦争を通じて最も多く使用された野戦服。
通称ジャングルファティーグと呼ばれるこの野戦服は、熱帯地域での作戦行動を念頭に開発されたほとんど初めての野戦服である。
通気性、速乾性などそれまでのユニフォームと明らかに異なる特徴を持つ。
胸ポケットのフラップの付け根が斜めになっているのが外見状の大きな特徴で、ポケット自体もユーティリティユニフォームのものより数が多い。
ポケットの多くは蛇腹式の構造で、単なる縫い付けのポケットよりも容量が大きくなっている。
その他の細かい特徴は以下のとおり。
左胸ポケットのフラップ基部に、ペンを差しておくためのスリットがある。内部には、ペンポケットがある。
両胸ポケット底部に、水抜きのための小穴が設けられている。
袖口にボタンが2つ並列についている。
これは、必要に応じて通気性を調節可能にしているもので、BC兵器対策の意味もあるようだ。
トラウザースの左側カーゴポケット内部に、特殊サバイバルキットを入れておくための小ポケットがある。
ただし、ここに収納される筈のサバイバルキットは結局完成せず、支給はされなかった。
幾度か改良が試みられたTCUは、おもに初期型、中期型、後期型に大別できる。見分け方は次のとおり。
初期型はポケットのボタンが露出しており、ウエスト調節用のストラップと肩部にストラップが付いている。
中期型は初期型のポケットのボタンに被いが付き、腰部のストラップが廃止された。
後期型は、上記の改良に加えて肩部のストラップも廃止されている。
以上の改良は、VNのジャングルにおいてこれらの部分が木の枝などに引っかかる不具合に対応したものである。
また、後期型TCUの開発後、生地にも改良を受けた。
改良型のリップストップ生地は、それまでのコットンポプリンにナイロンを格子状に織り込んだもので、生地が裂けてもナイロン部分で裂け目が食い止められる。
後期型ではトラウザースの前部ファスナー(つまり、社会の窓)の設計も変更され、ボタン閉じからジッパー閉じになった。
このほか、戦争中後期にERDL迷彩パターンのTCU(主に後期型)が生産されたが、特殊部隊やLRRPに優先支給されたために結局一般歩兵部隊には普及しなかった。
このERDL迷彩は色調の違いで何種類かに分類される。
TCUを着用する場合、通気性を活かすために袖ボタンを掛けないか、内側のボタンに掛けて着用するとよい。
ボタンを掛けない場合は、袖口を1回だけ折っておけば、ストラップがぶらぶらしない
■USAF
United States Air Force
アメリカ空軍。
■USMC
United States Marine Corps
アメリカ海兵隊。
■VC
Viet Cong
いわゆるベトコン。
狭義のベトコンは、NLFの戦闘員を指す。
■XM3バイポッド
小銃用の簡易バイポッド。
洗濯ばさみのように銃身を挟み込んで装着する。
■パッチ
ワッペン類。各種識別章の着用が規定されているが、実戦においてはまったく装着していない例も多数見受けられる。
フルカラーのパッチは1966年にサブデュードに変更するよう通達されたが、それ以降もフルカラーのパッチがよく見受けられたのに対し、1966年以前にサブデュードのパッチを使用していた例も存在するという。
VN戦で使用された殆どのパッチにはフルカラーとサブデュードがあり、必ずといっていいほど現地製のものが存在する。
■パックアダプターストラップ
フィールドパックを背負うためのストラップ。
VNの湿地帯では、渡河時にフィールドパックが水に浸かるという問題が発覚した。それを解決するために開発されたパーツである。
実にトンチの利いた解決法だったが、実際にこれを使用した例は全く見られない。
わざわざ容量の少ないフィールドパックを背負うより、どこかでラックサックを調達したほうがよっぽど早い。
資料でも「実戦使用なし」とされていることが多い、米軍ケッサク装備の一つ。サープラス品もやたら綺麗なものが多い。
■パックボード
WW2当時使用されていたコの字状の板で、重量物を背負って運搬するのに使う。
VNでも少数が使用された。
■兵科章
士官の所属兵科を示す記章。左襟に着用する。
布製パッチと金属製バッジがあり、布製パッチにはOD地に金色のフルカラータイプとOD地に黒色のサブデュードタイプがある。
金属製バッジについては、VN戦においてはフルカラータイプを見た事がない。黒色のバッジのみが使われた模様である。
■リップストップ
Rip-Stop
コットンポプリンにナイロンを格子状に織り込んだ生地。
強度が増す。
■リーフパターン
迷彩パターンの一種で、直訳すると葉模様。
VN戦においてリーフパターンと呼ばれるものには2種類あり、それぞれミッチェルパターン、ERDLリーフと呼ばれる。
■ラックサック
Rucksack
リュックサックの正しい読み方。
日本に入ってくる過程で読みが変化したらしい。
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